cocoroの中にたくさんのこと

母、主婦、保育士の日々の工夫や思いを綴る

発達障害が疑われる子どもとその保護者に保育士ができること

 

 

保育士として

大切にしていることのひとつに

「保護者とのかかわり」

があります。

 

保護者と保育士が

お互いに信頼関係を築き

子どもたちの様々な姿を伝え合い

どのように接していけばいいのか考えて

かかわっていくことが

 

子どもたちの成長には

欠かせないと思います。

 

 

子どもたちの成長には

いろいろな環境が必要です。

 

保育士として

子どもたちひとりひとりの成長に応じて

生活や遊びの環境を整えていくことが

大切だと思っています。

 

 

環境といっても

設備やオモチャなど

物的環境のことだけではありません。

 

子どもの周りにあるもの全てが

大切な環境なのです。

 

保育士も友だちも

その日の遊び方も

 

保育士の

生活面でのかかわりも

子どもたちに掛ける言葉や声も

抱きしめることも

笑いかけることも

 

その全てが

子どもたちの成長を促す

大切な環境となっていることを

子どもたちと過ごしていて感じます。

 

 

そして保護者と保育士の

信頼できる関係性も

大切な環境だと思っています。

 

子どもたちはわかります。

「お母さんと先生は仲良し」

ということが。

 

友だち同士のような「仲良し」ではなく

お母さんが子育てで困った時に

保育士に気軽に話ができる

そんな信頼し合える仲ということです。

 

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今年度担任しているクラスに

発達障害が疑われる子どもが

数人います。

 

先月のこと

Aくんのお母さんに

「この子が発達障害なら教えてください。」

と言われました。

 

 

私たちは

Aくんが人とのかかわりが苦手で

強いこだわりがあることから

自閉症かもしれないと思って

Aくんに合った保育をしています。

 

言葉が出ないので

友だちとのトラブルも多いAくんの気持ちを

行動や表情などから感じて言葉にし

本人や友だちに伝えたり

 

こだわりが強く

使いたいオモチャや

したい遊び方があるので

好きな遊びが十分楽しめるように

Aくんの遊びを補償したり

 

偏食も強いので

食事は無理させず

食べたいものだけでも食べることを優先し

今後少しずつ食べられるものが増えるよう

かかわったり

 

落ち着ける場所を確保して

ひとりで静かになれる場所を確保したり。

 

そうやって

Aくんが保育園での1日を

楽しく過ごせるようにしています。

 

 

保育士は

医者ではないので

診断することはできませんが

発達障害のことは勉強しています。

 

そして

長年保育をしていると

わかるようになります。

 

自閉症的な傾向にあるな。

多動な特性があるな。

などなど。

 

 

診断できない立場なので

お母さんに

自閉症だと思われるので

 療育機関に受診してください。」

とは言えません。

 

毎日子どもを預ける保育園(保育士)に

そんなことを言われたら

お母さんもショックです。

 

信頼関係が損なわれたらそれこそ

子どもの成長の妨げになり兼ねません。

 

 

そこで

基本的な考え方として

お母さん自身が悩んだ末

次へ進む(受診したり療育を受けたりする)事を

決断されるまで待ちます。

 

 

それまで私たちにできることは

Aくんの保育園での様子を

伝えることです。

 

お知らせするほとんどは

Aくんの成長の姿です。

 

絵本を座って最後まで聞いていたこと。

白飯以外のものも食べたこと。

ほめられると嬉しそうに笑って

頑張ろうとすること。

「せんせい」と呼ぶようになったこと。

 

ただ

お知らせする中には

おむつ替えを嫌がって

一日中おむつを替えることができなかったとか

水筒が嫌で水分を取っていないとか

 

お母さんにとっては

「なぜうちの子だけ。」

と思うようなお知らせも

しなくてはいけないこともあります。

 

 

先日

登園したAくんが

靴を脱ぐのを嫌がり暴れて

玄関に寝転がって泣き始めました。

 

すぐにそばに行って

お母さんと一緒に

Aくんにかかわるも

手がつけられないような状況でした。

 

保育園ではよくみられる姿です。

おうちではどのような対応をされているのか

聞いたところ

 

「家では暴れても

 テレビを観てると忘れてしまうから

 あまり困ったことはない。」

と言われました。

 

放っておけば

やがて忘れて

落ち着くということなのだと思います。

 

そして

今のお母さんにとっては

それがいちばんいい方法で

他の方法は見当たらないのだと

思われました。

 

 

保育園では

Aくんが落ち着くまで

決して無理強いせず

そばで見守りながら

待ってあげたり

 

Aくんの気持ちを言葉にして

分かっていることを

伝えるようにしたりしていることを

お母さんに伝えました。

 

 

その日お母さんは

Aくんと保育室に来て

担任としばらく話していかれました。

 

「今日みたいな姿を見ると

 やっぱり発達障害だと思うんです。」と。

 

お母さんは

発達が遅れていること

みんなと同じような行動ができないことを

ずっと悩んでこられました。

 

本やネットで情報を集め

友だちに相談し

その悩みは大きくなり

最後に保育士を頼ってくれました。

 

 

お母さんの悩みを聞き

辛い思いに共感します。

 

母親という立場からも

その辛さは痛いほどわかります。

 

いろんな人の助けを借りて

Aくんに合ったかかわりを

みんなでしていきましょうと

伝えました。

 

 

そしてAくんのお母さんは

一歩踏み出す決意をされました。

 

 

私たち保育士は

Aくんと過ごす時間が

お母さんと同じくらい長いです。

 

私たちはAくんにとって

大きな環境です。

 

だから

Aくんとの時間を

Aくんが楽しく過ごせるように

そして

Aくんが成長できるように

かかわっていきたいと思います。

 

 

明日も子どもたちの幸せが訪れますように。

子育てに頑張っている

お父さんお母さんが安心できる

保育ができますように。

 

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