「今」を大事に生きていく

過去は変わらず未来はわからないのだから

お父さん。

春一番が吹くと

寒の戻りがあると言われていますが

昨日も今日もとても寒いです。

 

朝は木々に雪がうっすら

降り積もっていました。

うちの花桃の木にも。

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三寒四温

春はきっとすぐそこです。

 

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今日は父の大学病院の日でした。

 

先週のCTの結果が出ました。

これ以上治療を受けても

良くなることは見込めないということでした。

 

つまりもう

治療はせず

これからは

栄養剤の点滴と

強い痛み止めのみが処方されます。

 

大学病院へ通院する意味はなくなり

来週からは

近くの総合病院へ通院です。

 

 

今日の送迎は妹(次女)がしてくれたので

仕事が終わると

妹からのメールで

そのことを知りました。

 

急いで実家へ

父の顔を見に行きました。

 

すっかり元気はなく

なんて声をかければいいのか

言葉が何も出てきませんでした。

 

 

それでも。。。

「どうだった?」と聞きました。

 

「もう治療はできることはない。

 もう痛み止めで痛みを取るだけ。

 栄養は点滴で取れるから

 これまでみたいに

 無理して食べないことにした。

 食べなきゃって思ってたけど

 もう食べなくていいんだと思ったら

 肩の荷が降りた感じ。」と。

 

 

寂しさが込み上げる中

母が間髪入れず

「そんな寂しいこと言わないで。

 食べられるかもしれないでしょ?」

と言います。

 

「もう良くならないんだから

 頑張らないことにした。

 今までは少しでも食べて

 元気になろうとしてたけど

 食べることが苦痛だから仕方ない。」

父がそう言っても母は

「でも食べられるかもしれないし。

 もう食べないって決めなくても

 いいんじゃない?

 私だって作る楽しみもあるし。」と。

 

すると父が

「もうなんの楽しみもないんだよ!」と。

 

 

私は母の口を覆いたくなりました。

もう喋らなくてもいいと思ってしまいました。

 

 

母は母で

なんとか父に

まだ頑張って欲しいと

思っているのかもしれないけど

私は

父の好きなようにさせてあげたいと

思いました。

 

父が私だけに聞こえる声で

「もう押し付けないでほしい。」

と言うのが聞こえました。

 

母が妹と話している間に

父にこう言いました。

「無理せんでいいんじゃない?

 食べたかったら食べればいいし

 いらない時は申し訳なく思わないで

 食べなきゃいいよ。」

すると父は

うんうんとうなづいていました。

 

 

父は亭主関白で

母は苦労してきたと思います。

子育てのことは任され

専業主婦で頑張ってきたと思います。

母にも言い分はあると思います。

 

母は小さな頃から

子どもたちにはとても厳しくて

私たち姉妹は自分の想いを伝えることが

できませんでした。

妹たちはどうかわかりませんが

私は母に気持ちをわかってもらうのを

諦めていました。

 

 

でも

今回は。

父の気持ちを尊重してあげてほしいのです。

そのことを分かって欲しくて

母に

「無理して食べさせないであげて。」

と言いました。

 

 

母は根が明るく

クヨクヨしない性格です。

だから父が大病になっても

強い気持ちで看病してきました。

 

そんな母も

父の看病には

かなり疲れが見えてきました。

 

今回もとても辛いことだけど

母は明るく振る舞っているんだと思います。

それは強くて母らしい。

 

でも

父は

もう

気力を持たないでいます。

 

 

お父さん。

もう頑張らなくてもいいよ。

頑張らないで。

 

 

 

私は泣きたい気持ちを抑えて

家に帰りました。

 

 

また

何度でも

父に会おう。

 

 

お父さん。

私がどうしたら

嬉しいんだろう。

 

 

「何かして欲しいことある?」

と聞いても

「特にないよ。」と言っていたけど。

 

 

なんでもするのに

何も思いつかないでいます。

 

 

やっぱり

私にできることは

元気な顔を見せることかな。