「今」を大事に生きていく

過去は変わらず未来はわからないのだから

お父さん。何度でも会いにいくよ。

緩和ケアのことを

医師から告げられてから

父はすっかり元気がなくなりました。

 

cocorony.hatenablog.com

 

 

食べることも

ほとんどできなくなりました。

 

それでもオレンジジュースや

コーヒーゼリー

ほんの少しずつ

口にしています。

 

 

食べることが苦痛だから

もう何も食べたくないと言っていたけど

起き上がることもつらくて

すっかり体力のなくなった自分の体に

少しでも何が入れようとしているのです。

 

 

毎日のように

私や妹(次女)やその家族が

父のところを

訪れています。

 

少し話をしただけで

「疲れた」と言います。

 

 

母は相変わらず

持ち前の明るさを

フル活用して

父のお世話をしてくれています。

 

 

「夜中のトイレも起きてくれて

 なんでも嫌がらずにしてくれる」と

父が私に教えてくれました。

 

亭主関白だった父の

母への感謝の言葉を聞くと

父が弱っていることを

感じさせました。

 

そして

ふたりは夫婦なんだなあと

改めて感じさせてくれました。

 

 

緩和ケアが決まってから私は

毎日実家へ

父に会いに行っています。

 

その度に

父にこう言われています。

 

「お母さんはひとりで何にもできないから

 また頼んだよ。」と。

 

「心配せんでいいよ。大丈夫。」と言うと

「お願いしたよ。ありがとう。」と。

 

妹(次女)にも同じことを言ったそうです。

 

あとのことは任せて!と言ってもらえることは

父にとって安心材料になるようです。

 

 

実は私。

「まだまだお父さんと一緒にいたい。

 不安なことがまだまだある。

 もっと助けて。。。

 これからも力になって。。。」

と言ってしまいそうだったのです。

 

でも

母のことや今後のことを頼まれた時

「任せて」と言った私や妹の言葉に

父が安心している姿を見て

自分の不安を父に伝えなくて良かったと

思いました。

 

 

遠方にいる妹(三女)は

コロナで

会うことを諦めました。

父がそれを

強く望んだからです。

 

会えないって

寂しいだろうな。

 

 

 

今日は父と

秘密の話をしました。

 

娘には内緒で

娘の彼氏の話をしたのです。

 

どんな彼なのか

やっぱり気になるようで

父もその時ばかりは

興味深そうに

いろいろ聞いてきました。

なんだかとても

嬉しそうでした。

 

「あの子は友だちのことでも

 悩みの多い子だったけど

 そうやってお付き合いしてる人もいるんだ。

 安心した。いい話聞けたー。」

父はそう言って喜んでいました。

 

「あの子、意外と告白されるんだよ。」

と伝えると

「へえ。そうかー。」

とニコニコしていました。

 

 

体をベッドの上で起こすだけで

辛そうに頭を下げている父。

背中をさすっていると

「さあ、もう帰りなさい。」

と言って

ベットに横たわりました。

 

いつまでもベッドのそばにいると

「もう疲れたから家に帰って。」と。

 

それは

帰って夕飯準備をしなければならない私への

心配りなのです。

 

それが伝わってきたので

そこは素直に

「うん。じゃあ帰るね。」と言って

その場を離れました。

 

そのあと母と話していると

ベッドから話題に入ってくる父。

本当はもっとしゃべりたいんだよね。

 

そのうち父は寝てしまいました。

 

私は父の顔を見て実家を出て

スーパーで買い物をして

家に帰りました。

 

家に帰ったら日常が待っていました。

 

 

私は家にいると

ずっと父のことを考えています。

そのことを

妹たちに伝えると

「自分の生活も大事にして。

 ドラマ見たり

 食事作ったり

 そういう日常を大切にしなきゃ。」

と言われました。

 

本当にそう。

そう思います。

 

でも。。。

できないのが私です。

 

 

そのことを

仲良しの友だちに

聞いてもらいました。

 

そしたら

そのままでいいって

言ってくれました。

 

私はわたしのままでいいんだ。

父のことを

いつまでも考えている私を

辞めなくていいんだ。

 

そう思うと

ココロが

軽くなって

そのままの自分でいることにしました。

 

それが私だから。

 

 

 

昨日は満月でした。

とても大きな満月でした。

 

2月だから

スノームーンと呼ばれることを

昨日知りました。

 

f:id:cocorony:20210228205736j:image

 

半世紀生きているけれど

知らないことが

まだまだある。

 

これからも生きていける私は

これからもいろんなことを知ることが

できるんだな。

 

生きているって素晴らしい。

 

 

 

お父さん。

明日も会いにいくよ。

明後日もいくよ。

 

1日も長く

お父さんと過ごせますように。

 

1日も長く

お父さんが楽しく過ごせますように。