「今」を大事に生きていく

過去は変わらず未来はわからないのだから

お父さん。ありがとう。

昨日

令和3年3月3日

桃の節句

 

私はご馳走を作りながら

子どもたちのかわいいお雛様のブログを

更新しました。

 

そのあとすぐに

母から電話がありました。

 

昨日入院したばかりの父の容態が

急変したとのことでした。

「急に血圧が下がったんだって。

 とにかく来て。」

 

私は泣きながら病院へ向かいました。

 

 

父は。。。

お父さんは

もう意識はありませんでした。

 

手を繋ぐとあったかくて

握り返してくれたように思えました。

「楽しかったね。」

「ありがとう。」

泣きながら大きな声で

お父さんに伝えました。

 

そして遠方にいる妹(三女)にビデオ電話をして

お父さんの姿を見せました。

 

 

母は私に

「病院だから大声をあげないで。」

「病室で電話したらだめよ。」

「もう少し落ち着いて。」

と言っていましたが

私はやめませんでした。

 

ビデオ電話でつなげた妹も

声をかけていました。

妹は「電話でも会えて良かった」

と言っていました。

 

父の口がパクパク動いて

何か言いたそうでした。

母は

「何?何?何か言いたいんだね。」

「辛かったのによく頑張ったね。」

「たくさんいろんなところに行ったね。」

「楽しかったね。ありがとう。」

と声をかけていました。

私と同じくらいの大きな声で。

 

そのうち父が息を引き取りました。

 

私は抱きついて

子どもみたいに泣きました。

 

母が

「お姉ちゃん。しっかりしてよ。」

と一喝。

そして向かっている妹(次女)に母が電話。

電話の向こうから

「わあー。」と泣き叫ぶ声。

もう少しで病院に着くところだったのに

運転中にお父さんのことを聞かされた妹。

 

母は訪問看護士さんや

親戚に電話をしていました。

葬儀屋さんにもすぐに電話をしようとして

病院の看護士さんに

慌てなくていいと言われていました。

 

「強いなあ。この人。」

母のようにはなれない。

昔からそうだったんだ。

 

そんなときやってきた看護士さんが

私を見て

「たくさん泣いていいんやよ。

 我慢せんでいいからね。」

と言ってくださいました。

 

母が部屋を出ていったとき

私は思い切り泣きながら

お父さんに言いました。

「もう少し一緒にいたかった。」と。

 

妹も来て

旦那も娘も来て

それぞれがそれぞれに

お父さんに声をかけ

悲しんでいました。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

医師に緩和ケアのことを勧められてから

1週間も経っていません。

一度入院して少しでも元気になったら

また家に戻ってくる予定でした。

 

 

昨日病院について行った時

妹が肩をさすると

「気持ちいいなあ」と。

私が手を握ると

「気持ちいいなあ。」と。

辛くてたまらないだろうに

オムツも濡らさず

最後までトイレへ行っていました。

 

医師にも薬のことや

これまでの経過を

しっかり伝えていました。

 

昨日の夜中も

看護士さんに手伝ってもらいながら

ちゃんとトイレへ行ったそうです。

 

 

お父さん。

すごいよ。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

どんどん進めなければいけない葬儀の準備。

 

実家へ移動しても尚

メソメソしている私に

母がまた

「お姉ちゃん。しっかりして。」と。

 

私とお母さん。

この関係は根本ではチグハグしています。

 

小さな頃から私が我慢したり

合わせたりしてきたと思います。

 

もうそれでもいいと思っています。

 

でもお父さんとのお別れだけは

私のしたいようにさせてもらおうと思います。

友だちがメールで

「たくさん泣いたらいいよ」

と言ってくれたのも救いでした。

 

もちろん

ひとりで泣いているわけにはいきません。

葬儀の話もしっかり聞きました。

 

家に帰り

手巻き寿司やおでんを見て

これを作ったのが今日だとは

とても思えませんでした。

誰も食欲はなく

手巻き寿司に使うはずだったお刺身は

冷凍庫に入れました。

どう使うのか検討もつかないけど。

 

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泣いていい時には

思う存分お父さんを思い出して

思う存分泣いています。

 

 

お父さんのオナラの実験も

私にパンチをさせて肋骨にヒビが入ったことも

痛いときお腹をさすってくれると治ったことも

寝かしつけにちょっぴり音痴な子守唄を

大声で歌ってくれたことも

スキーに海にいろんなところに出かけたことも

私の病気を心配して

遠い病院の送迎をしてくれたことも

 

私はぜーんぶ思い出し

ひとつひとつに涙して

お父さんを近くに感じていきます。

 

お父さんとの約束。

母のこともちゃんと最後までお世話します。

 

 

 

お父さん。

私は今日からしばらくは

長女として振る舞います。

 

でもお父さん。

私は今もこれからもずっとずっと

娘としてお父さんのことを想っています。

 

 

 

今日は山が綺麗でした。

お父さんにもきっと見えてるね。

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