「今」を大事に生きていく

過去は変わらず未来はわからないのだから

地震の時の娘

元旦

娘は友だちと石川県の金沢に

初売りに出かけていました。

 

午後4:10ごろ。

能登地方を震源とした大きな地震が発生。

その時、娘たちは

金沢のショッピングセンターで

買い物をしているところでした。

 

エスカレーターに乗っているとき

たまたまスマホに目をやると

地震予測アプリが地震を予報していたとか。

 

「なんか地震来るってなってるけど。」

と友だちに知らせると

「私の方はなってないよ。」と。。。

 

それからすぐに

周りの方たちのスマホも一斉に

けたたましい地震アラームを鳴らし始め

 

娘たちはエスカレーターから降りて

何も倒れてこない場所

何も落ちてこない場所にしゃがみ

揺れに耐えました。

 

思っていた以上に強く長く揺れ

天井から白い粉が落ちてきたとき

「死ぬんだ」と思ったらしいです。

怖かったでしょうね。

 

 

周りは

騒いだり慌てたりする人もおらず

冷静に行動(避難)されていたそうで

それに助けられたと言っていました。

 

「少しでも騒いでいる人がいたら

 自分もパニックになっていたかもしれない」と。

 

 

 

そこから避難開始です。

 

まずはトイレに行ったそうですが

ショッピングセンターの方から

建物から出るように言われ

とりあえず外に出たそうです。

 

これからの長い避難に備えて

トイレに行ったらしいのですが

それは冷静に考えた適切な行動だったのか

地震直後には相応しくない行動だったのか

私にはわからなくて何も言えていません。

今考えてもわかりません。。

 

 

トイレは諦めて

自販機で水を購入しておくことになりました。

 

友だちに「2本買っておこう。」と言われ

娘は一本にしようか2本にしようか

迷ったそうです。

 

すると友だちが

「自分の命は大事だから

 がめつく行動することも必要って言われた。」

と2本買ったそうです。

 

娘は自分が2本買ったことで

誰かが1本も買えなかったらと思うと

かなり迷ったらしいのですが

ただその時は誰も並んでいなかったので

2本買いました。

 

でもそのあとずっと

モヤモヤしてたらしいです。

いつまでも気にするところは

娘の生きにくいところ。

 

この話を帰宅した娘から聞いた時

「どっちもまちがってなーーい!

 とっちも正解だよ!!!」

と言うと

「うん。」

と嬉しそうに笑っていました。

 

人のことを考えられるのは

娘のいいところです。

モヤモヤしてしまう生きにくさも

今回はなんとか自分でやり過ごしたではないか!

 

2本買ったところで買い占めたわけじゃないし

がめつく生きることもひとつの方法であることを

友だちに教わったことは

いい経験になったと思います。

 

 

地震が起きてから割と早く私に電話をして

無事であることを知らせてくれました。

 

「お母さんたちは大丈夫?

 おばあちゃんは?

 大丈夫ならよかったー。

 新幹線はどうなるかまだわからんけど

 なるようにするから。

 危ないから絶対に迎えに来んでね。

 避難せんなんときは迷わず避難して。

 集団心理で間違えた判断しないようにね。」

と。。。

 

しっかりしていることに母びっくりでした。

 

 

駅は水道管が破裂したとかで水浸し。

割とすぐに新幹線は運休が決まりました。

 

駅員さんに「新幹線の交通費を返せ!」と

怒鳴り散らしているおじさんがいたらしく

「こんな災害時に

 おかしな人もいるもんだ」と思ったとか。

 

娘はホテルを取ることを提案しましたが

友だちはバスが山側を通って

県内に入れることを知り

バスを提案してきたそうです。

 

バスの列につきながら

娘は私に

「バスってどう思う?」

とメールをしてきました。

 

私は

「まだ災害の情報がわからないから

 バスの通る道が安全だとは言えないと思う。」

と返信しました。

 

「だよね。私もバスは怖い。」

とメールが来た後は

しばらくなんの連絡もなくて

ヒヤヒヤしていました。

娘は友だちの気持ちを尊重する方だし

自分の意見を通すようなタイプではないからな。

 

でも娘は友だちに再度ホテルの宿泊を提案して

駅近のホテルを取ったそうです。

 

ホテルの宿泊に迷っていた友だちに

落ち着いてから

「ホテルを勧めてくれてありがとう」

と言われたとか。

 

あとからホテルに入ってきた人が

何人か断られているのを見たそうです。

ニュースでは寒い中で夜を明かす人の姿も。

 

私は娘たちが

外で一夜を過ごすことが心配だったので

ホテルの部屋からメールが来た時は

本当にホッとしました。

 

 

娘たちはホテル近くのコンビニへ

食料の買い出しに行ったそうですが

コンビニの定員さんも避難しているため

 

開いているコンビニを見つけた時には

すでにお店は満員状態で

外にまで並んでいたそうです。

 

帰りの新幹線に

お茶を1.5リットル持っていたのは

この時に買ったものだったようです。

 

閉まっているコンビニの前で

困っている外国からの旅行者には

開いてあるコンビニの場所を

知らせてあげたとか。

「だってそのまま倒れたら困るやん。」

と言っていました。

 

娘はたぶん危機感を持ちすぎてるタイプ。

だから日頃から不安なことが多い。

でも災害の時はその力を発揮して

周りの人たちのことも考えられたんだと思うと

危機感は決して悪いことではないことに

気付かされます。

 

持ちすぎて自分を苦しめないようにするのは

これからの娘の課題かなと

思っています。

 

 

次の日の朝。

テレビやネットの情報で

新幹線が運転再開を予定している時間を知り

すぐに駅に向かったふたり。

 

お互い疲れが溜まっていて

ちょっと険悪なムードになったそうで

「このままじゃダメだ!と気をつけてたら

 元に戻ったから良かった」

とのことでした。

 

えらい。。えらいわ。。

お母さんとお父さん

水のことでケンカしたからね。

情けない。。。

 

 

ようやく新幹線に乗り込んだあと

大きな地震が起こり一部停電。

それにより45分間待たされましたが

なんとか帰宅してくれました。

 

帰ってきたら抱きしめました。

娘はすっかり疲れていて

感動の再会というより

リビングにゴロンと寝転がりました。

 

作っておいたおでんを食べている娘を見て

娘がここにいることに

感謝しかありませんでした。

 

 

「お母さーん。

 友だちはお母さんやおばあちゃんが

 何度も心配して電話かけてきて

 彼氏も心配してくれてたけど

 私は電話もメールも

 友だちほどなくて寂しかった。。。」

 

えーーーーー!

「お母さんもさあ。

 心配で心配でそりゃあ何度も電話したかったよ。

 でもスマホのバッテリーが切れたら大変やん?

 だからめっちゃ我慢しとったんよー。

 もう早く会いたくて会いたくて。

 それにおばあちゃんは心配すると思って

 ホテルに泊まること決まってから

 知らせたし。」

 

「まあお母さんはそうやろうと思っとったけど。

 おばあちゃんは知らせてなかったんかあ。

 確かにホテル着いてからメール来たわ。

 友だちは「とにかく気をつけて」って

 何度もお母さんからかかってきててさー。」

 

私は何度もかけたところで

娘たちの避難に支障が出ると思ったし

バッテリーも心配だったから

なるべくメールでのやりとりにしてたんだけど。

寂しかったのかーーー(T . T)

難しいところです。

 

なにより寂しかったのは

彼氏の反応が薄かったことらしい。

 

遠方にいるとは言え

仕事してたとは言え

気付いた時点で

電話でもメールでもして来いよ〜。

って思うよね。

 

「大丈夫?」

「大丈夫」

 

それくらいのやりとりだったらしく

将来を共にしていいのだろうかと

考えていました。

 

細かいことに悩まず

なんとかなるさーって感じの人だから

助けられてるところはたくさんある。

でも。。

この災害で電話もないとは。。?

 

「あまり心配しないところとか

 それを言葉にしないところとか

 メールの文章や言葉の表現が苦手なところとか

 お父さんに似とるね。

 でもあまり考えすぎないから

 それがありがたい時もあるよー。」

と私が言うと

 

はあ。。。とため息をついていました。

今回のこともひとつの経験。

彼氏との話し合いが必要ですね。

 

相手を変えようと思っても

変えられるものでもなく

どう付き合っていくか

そもそもこれからも付き合っていけるか

考えるきっかけになったようです。

 

 

出先での地震で娘は

「とてもいい経験になったよ」

と言っていました。

 

無事に帰ることができたから

言える言葉であり

いい経験ができたことに

感謝です。

 

 

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旦那っちが作ってくれた「いしる」のチャーハン。

このいしるは奥能登珠洲市で作られたもの。

美味しいいしるを作ってくださった方々が

無事でいらっしゃることを願っています。